健康のために大切な栄養素
➀カルシウム
カルシウムは、骨や歯の形成・維持に欠かせない栄養素です。また、筋肉の収縮や神経伝達、血液凝固などにも関与しています。
牛乳や乳製品、小魚、大豆製品、海藻類などに多く含まれており、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人1人1日当たりのカルシウム推奨量を、男性で700mgから800mg、女性で650mgと設定しています。
カルシウムが不足すると、骨粗しょう症や筋肉のけいれん、神経過敏、不眠、出血が止まりにくいなどの症状が出る可能性もあるため、効率よく摂取するために、ビタミンDやマグネシウム・リンなどの栄養素を一緒に摂取することが大切です。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する働きがあり、マグネシウムはカルシウムの骨への沈着を助ける働きがあります。またリンは、カルシウムと結合して骨や歯の材料となります。
②たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など、体のあらゆる組織を構成する栄養素です。また、ホルモンや酵素などの働きにも関与しています。
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などに多く含まれており日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人1人1日当たりのタンパク質推奨量を、男性で60gから65g、女性で50gから55gと設定しています。
たんぱく質が不足すると、筋力低下や免疫力の低下、疲労感、集中力の低下などの症状が出ることがあるため、効率よく摂取するためには、良質なたんぱく質をバランスよく摂取することが大切です。
良質なたんぱく質とは、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を組み合わせたもののことを指します。
動物性たんぱく質は、筋肉や臓器などの形成に必要なアミノ酸をバランスよく含んでおり、植物性たんぱく質は、コレステロール値を下げる働きや、腸内環境を整える働きがあります。
③ビタミン
ビタミンは、生命維持に欠かせない栄養素です。
それぞれに異なる働きを持つ13種類のビタミンがありますが、大きく分けて水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2つに分けられます。
水溶性ビタミンは、水に溶けやすい性質を持ち、体内で蓄積されにくいため、毎日の食事からこまめに摂取することが大切です。代表的な水溶性ビタミンは、ビタミンB群、ビタミンCです。
ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経機能の維持などに関与しており、ビタミンCはコラーゲンの生成や免疫力の維持などに関与しています。
脂溶性ビタミンは、油脂に溶けやすい性質があり、体内で蓄積されやすいため過剰摂取に注意が必要です。代表的な脂溶性ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKです。
ビタミンAは、視覚や皮膚の健康維持などに深く関わっていて、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあります。
ビタミンEは、抗酸化作用によって細胞の老化を防ぐ働きを持ち、ビタミンKは血液凝固に必要な働きがあります。
カルシウム、たんぱく質、ビタミンは、いずれも健康維持に欠かせない栄養素です。
日々の食事から、バランスよく摂取するようにしましょう。